ついに見つけた。アナログのAI素子を作ろうという会社があった。RAIN NEUROMORPHICSというフロリダ大学発のスタートアップのようだ。もう立ち上げてから2〜3年は経つようだ。
以前、アナログでAIというかAI用の素子を作ろうという研究をどこかでやっていないかと、検索で探してみたが全く見つからなかった。まあその時は日本語でやっていたからかもしれない。今回はたまたま英語のtwitterで見つけた。
しかし、いま覚えたばかりのニューロモルフィックというカタカナキーワードで検索したら、いくつか出てくる。九大などもやってるようだ。しかしどのサイトも割と新しいから、本当に最近出始めたのかもしれない。
neuromorphicsという概念は80年代からあったようだが、これまでは神経細胞のような働きをデジタルコンピューターでシミュレートしてきたのだと理解している。画像処理チップなどが使われてきたのはまさにこれだと思う。
しかし、もともとは自然界で生理的現象や物理的現象として起こっていることをシミュレートしようとしているのだから、当然効率が悪そうだ。ものすごい設備と電力を使う。
対して、アナログでやろうとしているのは、素子そのものに物理的に神経細胞的な働きをもたせるようなものを考えているのだと思いたい。でもよくわからない。
しかし、従来型集積回路の効率化の頭打ちが見えてきた今、何十年か先になってAIが活躍しているとしたら、きっとこのアナログ型というか、素子そのものが神経細胞的に働くAIが本命だと思う。
今あるコンピューターはそのアナログAIの周辺機器として使われるのが最もありそうな形だろう。量子コンピューターとて、知る限りでは汎用性がないので、AIという形にはなり得ないと思う。
もし、そういう時代がくればきっと倫理的な問題がAIの進歩の足枷になってくるのではないか。どう見ても意識を持ってるように振る舞うAIのスイッチをいきなり切れるかどうかということだ。でもまあ、それはその時の問題だろう。
こういうAIを開発することにはやはり一抹の不安というか、リスクが伴うように思う。しかし、結局だれかが開発するのは間違いない。
だから、開発を進める人たちは不適切な利用がされないような仕組みを先手先手で構築していってほしい。
ちなみに冒頭の会社のRAINという名前の由来が気になる。ぜひ知りたいものだ。