DeepL小説、Grammarly小説の未来(7)ー AI翻訳で出会った現象 1/3

これだけ大量の翻訳をやっていると、いくつか興味深い経験もした。特にAIならではと思われるものがいくつかある。

やはり、100回同じインプットをすれば、100回同じ答えが返ってくるこれまでの機械とは違うのだ。きっと、AIは日々新しいことを吸収しているのだ。

1.Grammarlyは上品

初期の頃はGrammarlyのwebエディターの上で随分長い時間を過ごしたのだが、やはりガンガンと新しい翻訳を出してくるDeepLのような派手さが無い分、印象は控えめだ。

お茶目だなと思うことがあったのは、たまに全部指摘をクリアして、これでもう大丈夫だと修正文全体をコピーをするような段になって、ポツリと指摘の赤線を出してくることだ。

きっとその時々でサーバーの混み具合が違い、必要なチェックの深度に達する時間に差が出るのだろう。また、DeepLもそうだが、時間が経つと同じ文章でも指摘がわずかに異なって来ることもあるようだ。AIが進歩しているということだと思う。

たまーに、この指摘はおかしいかなと思うものは確かにある。それから、Grammarlyが間違いを指摘し、提案してきた修正案の通りに修正すると、別の間違いの指摘と提案が現れ、それを採用するとまた別の間違いの指摘と提案が現れ、それを採用すると最初の間違いの指摘に戻るという、ループのような現象もまれにあった。

でも、自分ではこれは絶対にGrammarlyの判断がおかしいと思っていたものが、ふと気づいた修正、例えばどこか離れた所にコンマを打つとか、複数形のsを一つ取ってみるとかで、スッと指摘の下線が消えてしまうことがある。

その理由がわかった時、ああやっぱりAIは賢いと感心することになり、翻訳が進むにつれ、私は文法の面では徐々に謙虚になっていった。

2.柔軟な翻訳をするDeepLとやや固いGoogle翻訳

DeepLは大抵の場合、和文英文とも、かなり崩れた文でもなんとか無理して翻訳してくれる。文章の趣旨をつかんでそれに合った自然な文を創造してくれているようで大変ありがたい。対してGoogle翻訳はやや固い。直訳に近い翻訳をすることもある。

ただDeepLの場合その柔軟さが行きすぎてしまうのか、英文のチェックをしていると、どうも日本語訳がおかしいのではないかというものにもたまに出くわす。自分が知っている英語の知識からして、決してこんな訳にはならないだろうというものだ。

そんな時は、Google翻訳にもかけてみる。するとこちらの方が、ぎこちなくともかっちりと訳してくれるので、自分の考えが正しかったということがわかって安心するのだ。

だから、翻訳作業をやっている時は、常にDeepLとGoogle翻訳のウィンドウを立ち上げておいて、疑問があったり、不安がある場合にはGoogle翻訳にもかけて確認するということをしていた。

つづく

 1 2 3 4 5-1 5-2 6-1 6-2 7-1 7-2 7-3 8 

 

アダムの選択(亜東 林)

 

手のひらの中の彼女(亜東 林)

 

シライン(亜東 林):改訂版

 

LIARS IN SPACE (Rin Ato):シライン英訳版

英訳の経緯はこちら

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です