マレーシアでも年明けに交通事故の統計が発表されます。もうすぐ2018年の統計が発表されますが、昨年(2017年)の交通事故死者数は6,740人とのこと。同じ年の日本の交通事故死者(30日以内死者)は4,431人。
マレーシアの人口が約3,000万人、日本の人口が約1億2,000万人であることを考えると、単位人口あたり日本の約6倍の死者数になります。
人口当たりの交通事故死者数は、東南アジアではタイが最悪のようですが、マレーシアはずっと2番手あたりの位置を占めています。
統計の取り方が違うので単純比較はできませんが、この数字は日本で言うと交通戦争と言われた1970年頃と同じか、さらに悪い状況です。私も2年半マレーシアにいて、交通事故の現場や炎上する車を見たことが何度かありました。
交通事故の死者はどうやら、都市部より地方の方が多いようです。地方では都市部よりスピードが出ていたり、救急体制が整っていなかったり、照明など道路の整備ができていなかったりと色んな理由が考えられます。道路のカーブや交差点よりも、直線路での事故死が多いという調査結果も見たことがあります。
また、マレーシアの2017年の交通事故死者6,740人のうち、4,348人が2輪車関係の死者(運転手や同乗者)とのこと。6割以上にのぼります。
マレーシアで車を運転したことがある人は、脇をすり抜けてゆく2輪車にヒヤッとしたことがあるのではないでしょうか。
私は車を運転をする時できるだけ車線変更はしないようにしていますが、車線変更が必要なときは後ろから2輪車が迫って来ていないか、かなり注意しているつもりです。しかし、それでも予想外のハイスピードで2輪車が突然左右に現れて驚かされることがあります。
こういうタイプの2輪車が100km/h以上のスピードで直線であろうが、カーブであろうがお構いなしに追い抜いていく
たぶん彼らは車を運転したことがないんじゃないかと思います。車にどれだけ死角があるか知っていれば、あんな無謀なことはできないでしょう。
マレーシア人の車(4輪車)の運転は荒いという人もいますが、私は少なくとも都市やその周辺ではむしろ穏やかなんじゃないかと感じています。
その理由のひとつがこの2輪車の無謀運転。車は穏やかに運転しないとあちこちで2輪車を引っ掛けて事故を起こしかねないからではないかと思います。
二輪車の運転手は、そんなおとなしい車をいいことに好き放題に走っているように見えます。
車を運転しないと行動の自由がかなり狭まるマレーシア。被害者にも加害者にもならないように気をつけたいものです。