クアラルンプールのバリアフリー度(3)

クアラルンプールの中心部を離れると、大きな道路は自動車専用道みたいになっていることも多く、そういう道では交差点は立体交差になっていて信号もほとんどありません。こういう道を横切らねばならない時はやっかいで、交通量が少ない時間帯ならまだいいですが、車が途切れない時や夜間はヒヤヒヤしなければなりません。


右奥のビル群の中に巨大なショッピングモールがある。
真ん中の道路はそこに繋がっているけど、歩ける道ではない。
KLの郊外ではこういう高架道路・立体交差が多い。
一度右のほうから迂回して歩いて行ったことがあるけど(ふつうはそんなこと誰もしないよ!)、生活感あふれるアパート裏の駐車場の真ん中を通るような道しかなかった。

しかし、昔からの市街地では道路は平面で交差するので、交差点がたくさんあります。


SOGO近くの交差点

上の写真の交差点はかなり立派。このあたりはわりと集中的に整備されているんですが、それでも歩いていると信号が消えていたりすることも。


ここでは信号が消えていた
(それとも、交通量が少ない時間帯にはわざと消してあるのか?)


歩行者用のボタン
押しても作動しているのかどうかわからないことが多い

どの場所でもこのぐらいよく整備されているといいのですが、なかなかそうはいかず、結局は車の往来を見ながら隙を見て車道を渡ることが多くなります。

住民もそれに慣れっこになっているし、ドライバーも人が横断する可能性はある程度念頭においているみたいなので、とっても危険というわけではないかもしれませんけどね。


ここは奇妙。向こう側には横断歩道があるのに、手前にはない。
右下の縁石は低くして横断歩道を作るつもりだったのに途中で止めた?


こうやって車の往来の隙を見計らって道路を横切る姿はごく普通に見られる

KLの街中のバリアフリー度を考える時には、まず、段差があるとかスロープが無いとかいう以前に、上に書いたとおりそもそも普通に歩いて行けるように作ってあるの?という点が重要です。

市中心部の道路であれば大体歩道は設置されているものの、そこを歩いている人の数は繁華街以外ではとても少なく、どうも「道というのはこんなもんだろう」と住民もあきらめて、歩くことに必要以上に消極的になっているんじゃないかと思えてきます。

しかし、道路を作る側の当局にも問題意識がないわけではなく、一部の地区では下の写真のような高架歩道を作ったりしています。


高架歩道


KLの歩道橋は全て屋根が付いている。
雨・陽よけ対策だと思うけれど、豪雨の際の排水が車道や下の歩道の一点に集中して落ちないようにとの安全対策かも?とも思った。


高架歩道から見たJalan Sultan Ismail
向こうのアーチ型の歩道橋は20数年前にもあった。
ただの歩道橋なのにこういう洒落っ気を出すところは好き。

これと同様の高架歩道は、KLCCとブキビンタンの両繁華街を結ぶルートにも作られています。これは上の写真の高架歩道よりもっとゴージャスで、歩道を窓で囲って冷房が入れられています。

KLCCからブキビンタンのパビリオンという大きなショッピングモールまで約20分、よく歩きましたがこの高架歩道はとても快適で便利です。でも新幹線でいうと「のぞみ」か「ひかり」みたいに停車駅が少ない(降りられる場所が限られている)ので、行き先によっては地上に降りてからまた苦労して歩かねばならないこともあります。

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LIARS IN SPACE (Rin Ato):シライン英訳版

英訳の経緯はこちら

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