それでは歩道の状態やメンテナンスがどうなっているかというと、もちろん有名な観光スポット沿いや人の往来の多いところはきれいに整備され、比較的メンテナンスも行き届いています。
きれいに整備してある歩道
だけど、大通りから少し離れたり古くなったりしたところは、どうしてもメンテが行き届かなかったり歩行者への配慮が不十分になりがちです。
メンテがなかなか行き届かない。また、歩行者への配慮が不十分なことも多い。
ぼんやり歩いていると危ないことも
(写真はクアラルンプールではありません)
こうなると通行人がますます減り、それにつれてモラルも低下してくるんじゃないかと思います。
歩道が駐車場に
一度クアラルンプール市役所の人と話す機会があったので「もっと歩道の整備をした方がいいんじゃないですか」と聞いてみたことがありますが、「それは分かっているけれどマレーシアは日本と違って暑いし簡単ではない」と言っていました。思わず「日本の夏の方がずっと暑いですけどね」と言ってしまいましたが、まあここは一年中暑いですから気持ちもわからないでもありません。
それにマレーシア人の友人にも聞いてみましたが、マレーシアではモータリゼーションの波が続いていて、自分の車を持つことがステータスシンボルになっているので、汗だくになって歩くような人は変な目で見られるとのことでした。確かに都市部ではなにごとも文字通りクールにスマートにこなそうという雰囲気があります。
しかし、そういう人たちが乗っているたくさんの車が毎日大渋滞を起こして結局車の中でイライラしてるという皮肉な状況も起きています。きっとその中には車の通勤がいやで、できれば運転したくないと思っている人もいると思うので、まずはそういう人に車の使用を控えてもらえるように、もっと公共交通を充実させてはどうかと素朴に思います。
通勤時間帯の渋滞は慢性化している
MRTは昨年7月に開通した1号線の他に、いま工事が進められている2号線、さらにKL中心部を取り囲む環状の3号線の計画があります。3号線は財政負担の懸念から実現が危うくなっていますが、ぜひこういう公共交通機関を最大限に活かして通勤の車を減らし、KLの渋滞が緩和されればと思います。
そのためには、自宅から最寄り駅までと、降りた駅から職場などの目的地までスムーズに行けるように歩道の整備やバス路線の充実がとても重要でしょう。さらにそれは車椅子を使う人や高齢者、小さな子供がいる家族連れなどにとっても、いまよりずっと行動範囲が広がることに繋がるんじゃないかと思います。ついでに私のような外国人や初めてKLに来たツーリストなども、気楽に街を散歩できるようになればなおいいと思います。