Macで縦書き小説を書いて、電子書籍としてAmazonで出す時に使ったアプリケーション

何編か小説を書き、自力で電子書籍にしてAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)に出してきましたが、その時に使用したアプリケーションについて書いておきます。

1.Hagoromo

リッチテキストエディターと言うみたいです。テキストエディターはワープロよりもシンプルで軽く、大量の文字を扱うのに適していますが、それにある程度の装飾機能などが加わったものだそうです。

テキストエディターとワープロの中間ぐらいだということですね。基本的には全てこれで書いています。


背景色やカーソル位置の表示色は自由に変えられます

3年前にこれを買った時には、Macの縦書きソフトにはあまり選択肢がなく、有料だったのですがこれを買いました。

いろんな設定をした時の動作がややわかりにくい場合があり、最初は手こずりましたが、自分の設定を決めてしまってからはとても快調に書くことができます。

エディターにはアウトライン機能というのがついているものがあり、例えば章ごとに文章を折りたたんで、全体を見やすくする機能です。

Hagoromoにもアウトライン機能がついていて、長文の小説など、この機能がなければとても書けませんでした。


アウトライン機能を使って折りたたんだところ

Amazonのサイトにアップロードをする時のファイル形式はいくつか決まっていますが、色々試してみてEPUBという形式がおすすめです。

Hagoromoの書き出し機能を使えばEPUBにすることができます。

Hagoromoには目次作成機能もついており、基本的にはHagoromoだけでアップロードまで完結できると思います。

 

2.Pages

Macを買うと付いてくるワープロソフトですね。2019年から縦書きに対応できるようになったため、今ならPagesで書くこともできそうです。

しかし、PagesからAmazonにアップロードする時に、やや面倒な作業をしなければなりません。

やはりEPUBに変換してからアップロードするのですが、Pagesで縦書き文章を書いてからEPUBにしても、そのままアップロードすると縦書きにならず、横書きになってしまいます。

(注:2022.5.5追記: その後久しぶりに縦書きでPages→EPUB→KDPにアップロードすると、webのプレビューワーでは縦書きになっていました。喜んでそのまま出版したのですが、Amazonのサイトで「試し読み」を見ると、確かに縦書きになっていましたが、レイアウトがむちゃくちゃに崩れていました。本質的には解決していないようです。結局、再度以下の方法で試すとうまくいきました)

この問題はやっかいで散々調べましたが、ようやくたどり着いたのが下のwebページの方法(リンクは貼ってません。文字で検索してください)。

Pagesで作成した縦書きのEPUBが横書きになる時の対処法

電子書籍は公開前に体裁や書籍内のリンクの動作などをプレビューワーで確認しますが、これでうまく縦書きになった時には感動してしまいました。このページを書かれた方には感謝しかありません。

実は、Hagoromoで目次作成をすることができると書きましたが、最初はそれがよくわかっておらず、Hagoromoで文章を書いてPagesにコピペをして、Pagesで目次とリンク貼りをやって出版しようとしてたからです。

リンク貼りなどではPagesのほうが自由度が多く、やり方もとてもわかりやすいので、私はこれからもHagoromo → Pages の流れでやろうと思っています。

なお、HagoromoからPagesにコピペすると、ルビが落ちてしまいますのでご注意を。

 

3.GIMP

画像編集・加工ソフトです。電子書籍の表紙作りのために使っています。

なぜ、こんなに高機能の画像加工ソフトが無料で利用できるのか、正直言って不思議です。これで作った画像を商用利用することも構わないと明記されています(FAQにある)。ネット検索するとその辺りのことを書いた記事がいくつか見つかります。

ただ高機能なため、慣れるまで最初は大変かもしれません。でも、いくつか画像を作っているうちに自分好みの機能を覚えてしまい、それをメインに使いながら画像を作ると本当に楽しくなって、没頭してしまうこともあります。

開発している人に対しての失礼を承知で言うと、このGIMPを使って最も良いところは、うまくいかなくても腹が立たないこと!これに尽きます。

使っていると一部機能が動かなかったり、妙な動きをしたり、分かりにくかったりということもあるんですが、無料で使わせてもらってるんだから、と思えば全く腹も立ちません。しばらくすると改善されていたりもしますしね。

私は絵心が全くないため、これを使う時は全て写真をベースにしています。写真を撮ってきて、切り取ったり、色んな効果を加えたり、重ねたりということです。

GIMPのホームページにはDonation(寄付)を受け付けると書かれていますので、もし印税をがっぽり稼いだら寄付しようと思います。もし、ですけどね(笑)。


ただいま工事中

りょうこの誘惑(3)ーシュレーディンガーの猫がもつれる表紙

短編集の中に入れていた「りょうこの誘惑」という話を切り出して、アマゾンで売りに出そうと思い、下の表紙をつくって審査にだしたら、見事アダルトカテゴリーに入れられてしまいました。


ボツになった「りょうこの誘惑」の表紙

確かに下品な話を書いてあるんですが、別にNGワードが書かれているわけではないし、センスとユーモア溢れる(笑)内容のはずなのにとっても残念。タイトルと表紙の印象で通常カテゴリーからはじかれてしまったようです。

そもそも、量子力学の話題をネットで勉強して書いた話だから、アダルトカテゴリーだと思ってこの話を読んだ人は怒るだろうと思い、あきらめて取り下げました。

ちなみに、ボツになったこの話の紹介文は以下のとおりです。

『科学の進歩は意外なところから始まることもある。
それがネット掲示板の書き込みであったとしても、人類にとって計り知れない価値を持つ可能性だってあるのだ…いや、ないか。最新科学をネットで調べて独自解釈した、超短編ナンセンスSF。
(本作品は「短編集 得失点差の小さい男 他四編」に収録されています)』

自分では話の中身もとても気に入っているんですが、表紙を作る時に思いついたこの二匹の猫の絵も抜群に気に入ってしまいました。

量子力学では、生きてる状態と死んでる状態が重ね合わさった状態の「シュレディンガーの猫」という思考実験が有名で、よく解説書なんかに猫のイラストが使われます。

もうひとつ、この話の鍵である「量子もつれ」という現象を合わせて表現したこの表紙の画像。いいと思うけどなぁ。

なぜこの表紙が量子もつれと関係があるのかと思った人は、ぜひ「量子もつれ」という言葉でネットの画像検索をしてみてください。

というわけで、この話は↓の短編集にひっそりと入っていますので、よろしかったらどうぞ。


ただいま工事中

 

補足:ちなみに、この猫の絵の元になった写真はこのブログ記事にあるマレーシアで撮った猫です。

一つ疑問が湧いて来た。なぜ黒と赤の組み合わせがエロティックな印象を与えるんだろう?自分もこの色の組み合わせを使ったから、自然に頭に入ってるんだけど、赤はまあわかるとしても、なぜ黒なんだろうか?変なサイトの見すぎなのか?

 

「シライン」もよろしく↓

神社のこと ー✨ 新作「シライン」完成✨

生まれてから高校を卒業するまで、小さな神社の裏に住んでいました。裏も真うら、玄関出て5秒ほどで境内に入ることができる場所です。10歳の頃に引っ越しましたが、そこは少し遠くなり、10秒ほどかかるようになりました。

小さな神社ですが、数年前に行ってみたらこの神社の由緒を書いた立派な石の案内板が立っていました。昔はこんなのなかったんですけどね。

子供の頃はぼんやりと”歴史のある神社なんだろうな”と思っていましたが、やっぱり古かった!案内板を見ると、この神社の始まりは1200年ほど前ではないかとのことです。

でも、このあたり(大阪)にはそういうところも特に珍しくはありませんからね。この場所や近くの地名も、そのぐらいの歴史がありそうな名前だし。

生まれた時から18年間ずっとここにいたから、自分では気がつかない部分でも、この神社の影響をかなり受けているのではないかと思います。特に幼いころの影響は大きいでしょうね。

そういうわけで、まず「シライン」というタイトルだけが先に決まり、そこから物語を書き始めるという無謀なことをしてしまいました。

ちなみに、神社とか聖堂をあらわす英語のshrineはカタカナでは「シュライン」と表現する場合がほとんどのようですね。でもなぜか昭和風のシラインという発音が頭にこびりついてしまい、そのままにしてあります。

この神社が話の中でどういう意味を持つのか、実は自分でもうまく説明できないのですが(笑)、なにか多くの人の意識が向かうヘソのようなものを書きたかったのかもしれません。そういうものが今の社会には減ってきたんじゃないかと思いますから。

話の中の神社に関する記述の中でも、お祭りの場面が書けたのを本当にうれしく思います。子供の頃に経験したあのトリップ感をいつか表現してみたいとずっと思っていたので。(なお、階段を登ってくる場面がありますが、この部分は別の神社での風景なんです。住んでいたのは平地にある神社の裏です)

とってもてこずりましたが、他にもいろいろこれまで考えてきたことが書けたように思います。ちょっと長いですが、よろしかったら読んでみてください。↓

なお、神社が出てきますが火星やスペースコロニーも出てきますのでご注意を。

神社の思い出ももう少しブログに書いておきたいと思います。